〜 お気軽にお問い合わせください。 〜

〜 オフィスレター 〜

2019.04.01

今年の国債発行は148.7兆円

税務に関する情報

 新しい年号が令和と決まりました。令和頑年の予算は成立していますので、148.7兆円の国債を発行することが決まっています。少し前までは日本の財政は大赤字で大変だという論調が多かったのですが、最近の政治家や評論家は、「日本は資産がたくさんあるから大丈夫」、「日本は世界最大の債権国だから大丈夫」、「日本政府の借金の9割以上は日本人からのものであるから大丈夫」という論調が多くなっています。
 しかしバブル崩壊前まで、日本はほとんど国債を発行してなかった(昭和60年の国債発行額は5.7兆円)にもかかわらず、平成時代に世界でも突出した国債発行残高を抱える国になってしまったことも事実です。平成時代を振り返ってみると「財政赤字を急激に膨らませた時代」といえます。

 財政法第4条には「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」と規定しています。要するに公共事業、出資又は貸付以外の使途で借金をしてはならないと法律で定めているわけです。これは戦前に巨額の軍事費を賄うために歯止めのない借金をしてしまったことを反省して定められたものだといわれていますが、この規定などどこ吹く風の状態で財政赤字は膨らんでいます。

 公共事業を行うのに借金をするのであれば(建設国債)その建造物は後世の国民が利用するわけですから、後世の人たちに負担させてもよい、出資や貸し付けのための支出を賄うのであれば(財投債)いずれ返ってくるのであるから国債を発行してもよいだろう、という考え方です。

 財政規律がここまで緩んでしまったにもかかわらず、「日本は大丈夫だ」という言葉を安易に信じてはなりません。

«

»