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2019.12.04

若者の新規就農が増加している

未分類 経営に関する話題

 日本の農業就業者は、2000年に389.1万人いましたが、2018年には175.3万人に減少しています。そしてその間に農業就業者の平均年齢も61.1歳から66.8歳へと高齢化が進んでいます。そして日本の農家の生産性ですが、2015年のデータですが、1時間当たりの所得は僅か722円だそうです。
 わずか18年間で就業人口は半分以下、平均年齢は5.7歳も高齢化が進んだわけです。時給722円では就業者が増えないのは当り前といえるかもしれません。
 しかし2014年くらいから49歳以下の新規雇用就農者が増加しています。親の農業を引き継ぐのではなく、独自に土地・資金等を調達して農業経営を開始した人を新規参入者と呼びますが、この新規参入者が増加しているのです。2008年に860人であった新規参入者が2017年には2710人に増加しています。わずか10年で新規参入者が3倍以上になっているのですから、日本の農業に新しいウェーブが立ち始めているといっても過言ではありません。

 そもそも、農業就業者数の減少は多くの先進諸国で共通に起こっている現象です。全労働人口に占める農家の割合が、日本は3.5%ですが、アメリカ1.7%、ドイツ1.3%、イギリス1.1%、フランス2.9%、イスラエル1.1%…なのですから農業従事者の数が少ないことが問題ではありません。問題は日本の農業の生産性の低さであり、その最も大きな原因は農地の集積が進まないことにあります。

 すなわち1農家当たり平均耕作面積が、日本は3haなのですが、アメリカ180ha、イギリス90ha、ドイツ61ha、オランダ32ha、ベルギー37ha、オーストラリア4200haだというのですから、生産性競争で日本の農家が海外の農家に勝てるはずがないのです。

 そんな中で、若者が農業に新規参入しているというのはどしてなのでしょうか?農業の新しいウェーブは、従来の農業の延長ではなく、ネクストファマーズとしての挑戦です。フリーライターの川内イオ氏が「農業新時代」(文春新書2019.10発行)の中で成功している農業参入者達の農業経営を紹介しています。

例えば、
(1)「世界一の落花生で作る究極のピーナッツバター」では、世界で一番おいしい落花生を浜松市で作り、一瓶1400円のピーナッツバター2万個を販売しています。
(2)東大卒が経営する直売率99%の梨園
(3)世界のスターシェフを魅了するハーブ農園
等が紹介されています。

いずれの事例も、従来の日本の農業の延長線上ではなく、農業をビジネスとして捉えて顧客創造を行っています。そしてこれらの事例は、今までの仕組みやしがらみから脱却すれば、高付加価値の農業は可能であることを示しています。

日本創生には、地方の創生が不可欠であり、地方の創生には農業の創生が不可欠である。日本の豊かな自然を活かし、生産性の高い農業にチャレンジすること、農業と向き合う若者がもっと増えれば…
働き甲斐のある農業、
安全でおいしい農産物
農産物でつながるコミュニティ

農業に夢をもつことから始めたら、意外と道は拓けるような気がします。

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