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2021.03.22

脱労働社会の到来

ブログ 読書の部屋

 ある本に、「これからの社会に重要なポイントとなるのはAIとBIだ」という文章があった。AIというのは直ぐにコンピュータの能力のことだとわかるのですが、BIって何だろうと戸惑いました。少し読み進めたらそれはベーシック・インカムのことでした。AIの進展はベーシックインカム制度の導入を検討せざるを得ないだろうということなのです。
 コンピュータの能力が進化して、単なる計算処理から「汎用AI」が登場するのも時間の問題となってきています。2045年から2060年の間に、脱労働社会が到来すると予測している経済学者も存在します。今までのコンピュータは人間が操作することによって動く道具だったのですが、AIの進化により「コンピュータが判断して行為するという世界」に移行しつつあります。自動車の運転の分野では高度な運転に関する判断をコンピュータが行うようになってきています。
 あらゆる分野でコンピュータが「早く正確に」判断して、人間の代わりに機械が労働する。機械は人間よりも効率的に労働するので、この進展の先には「脱労働社会」があるのではないかといわれています。そうなると人間は労働の対価を得ることによって生活するのではなく、労働しなくても生活できる脱労働社会が到来し、その社会を支えるためにはベーシックインカム制度が必要なのだということです。ロボットが効率的に人間の代わりに働いてくれるとすれば、その成果を人間が享受するとしたら、健康で文化的な生活を送るために必要な収入は保障されるベーシックインカム制度が用意されなければなりません。

 人間の歴史は戦争の歴史であり、戦争は「欲」が引き起こしてきました。AIがいくら進んでも、人間は「隣の人よりも余計に得る」ことを目指してしまうのでしょうか?そうだとすると、「余計に得ようとする」人間が存在し続け、戦争はなくならないということになる。AIがいくら進展しても、人間の心が進化しないとベーシックインカムも空回りするのではないかと思う。

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