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2022.07.01

税金は限りなく無駄遣いされ続ける

税務に関する情報

 毎年7月10日は、源泉所得税の納期特例に係る納期限と、社会保険の「被保険者報酬月額算定基礎届」の提出期限なのですが、今年は10日が日曜日のため、7月11日が期限となります。
 我々税理士にとって、1年間で最も忙しい日というと
(1)所得税の法定申告期限である3月15日
(2)給与所得等の源泉税の納期限である1月20日
(3)源泉所得税の納期特例(毎月納付ではなく半年に一度まとめて払う特例)期限の7月10日
がこの順序で忙しい日であると一般的には言えます。

 多くの給与所得者にとって、源泉所得税よりも厚生年金保険料や健康保険料などの法定福利費の方が高くなっています。なにしろ国家予算の最大の負担が社会保障費であり、年金だけでも約60兆円、健康保険は40兆円以上、その他の社会保障が30兆円以上なのです。2021年の日本のGDPに対する割合が23.2%ですから、防衛費がGDPの1.24%なので防衛費の約20倍の税金を使っているのが「厚生労働省」という役所になります。そして国家予算の23.2%という国家予算(一般会計)に保険料として集めたお金が様々な特別会計で一緒になって、厚生労働省及びその支配下にある様々な独立行政法人等につぎ込まれて、様々な分野(年金、医療、介護、失業対策、生活保護等)に社会保障費がバラまかれることになります。その総額たるや国家予算どころではなく、2021年の特別会計の総額は約500兆円という巨額(国家予算の約5倍)に上ります。
 税金の最大の浪費者である厚生労働所の役所は、年金事務所やハローワークや労働基準監督署など様々な分野に縦割りされ、いずれも税金を配る権限を持つところですから、日本で最もお金を使っている役所は「厚生労働省」であるということになります。
 普通に考えれば、税金を徴収ところが権力を背景に居丈高であり、税金を配分するところは弱者の味方なので優しいというイメージがあるのですが、現実は全く逆である場合が多いのです。というのも、税金を徴収する側は、納税者に反感を持たれると仕事がやりずらいし、十分納得してもらわないと修正申告や納税がスムーズにいかないので、納税者との対応には気を使っています。ところが税金を配る側の役所は、税金を配るのですから相手にぺこぺこする必要はないし、複雑なシステムの説明をする気は最初からありません。したがって「窓口に来た人に親切にしてはいけない」という文化を持っている役所であるといえます。
 しかし、年金や医療がこれほどまでに膨れ上がっているのですから、もはや「税金よりも社会保険料が高い」のです。そして「税金」として支払ったお金もその23.2%は年金や医療に使われてしまうのですから、厚生労働省も社会保険料を支払っている「被保険者」にもっと低姿勢に親切にすべきだろうと思います。

 普通の役所なら、「提出ご苦労様です」とか「何か不明な点はなかったでしょうか」とか、「電子申告にしていただけると助かるのでご協力お願いします」とか、の対応をするのが普通なのだと思いますが、どうやら年金事務所は普通ではないようです。歴史的に考えても、支払う人の痛みがわからない為政者が浪費して国家を衰退させてきました。あまりに多額の資金が流入する役所の運営は非効率であり、肥大化し、数えきれない無駄な補助金や制度が廃止されることなく増え続けるのです。誰かが強力なリーダーシップをとらない限り厚生労働省は肥大化しすぎているので、このままでは「税金は限りなく無駄遣い」されそうです。 

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