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2022.11.03

日本創生とは

ブログ 経営に関する話題

 最近の驚異的な円安は、今後起こるであろう日本の未来を暗示しているようで気になります。日本アズナンバーワンという本が出版されたのが、1979年ですからもはや43年も前のことになります。その当時の日本は、世界の経済をけん引する勢いであり、世界の長者ランキング、企業の時価総額ランキング等の様々な指標で日本人と日本企業は席捲していた。そして1980年代はまさに「日本の世紀」とでもいうべき時代であった。なにしろ「一人当たりGDP」でいうと、日本はドルベースで以下の通り推移しているが、最近の円安で相当下位に落ち込むことが予想されます。
1980年 第11位
1989年 第2位
1995年 第3位
2000年 第2位
2007年 第20位
2021年 第22位
 ジャパンアズナンバーワンと言われた日本が急速にその地位を落としていった原因として言われているのが、「情報化社会への乗り遅れ」です。日本は工業社会という世界では「メイドインジャパン神話」が世界中に浸透し、日本の工業製品が世界を席巻したわけですが、情報化社会になると途端に失速し、失われた10年が20年になり、30年になろうとしています。
 そのような中で、日本の財政赤字はもはや天文学的な数字であるし、少子高齢化による人口の減少と高齢者の増加は日本の未来に暗い影を落としています。かつてウオークマンやカーナビなど、メイドインジャパンの新製品は圧倒的な品質と性能を誇りましたが、今ではテレビだって掃除機だって冷蔵庫やパソコンやイヤホン、電動歯ブラシに至るまで、日本製品でなくてはならないという性能差や信頼性の違いはありません。

 コロナ禍でたいへん巨額な補助金がばら撒かれ、今後も旅行や飲食を中心に気前よく撒かれることでしょう。いくら赤字国債を発行しても「日本は通貨発行権があるのだから財政赤字は気にすることない」という考え方の学者たちが、大きな声でアナウンスしています。赤字国債を発行して補助金をまけば、政府が借金して国民の貯金が増えるのだからいいのだ、反対に財政再建するということは国民の預金を減らして政府の借金を減らすことなのでよくない。というのがMMT(モダンマネーセオリー)理論なのですが、どんなにお金を撒いても、日本の生産性が高まらない限り日本の経済力が復活する方向へは向かいません。

 このような中で、「日本人は働きすぎだ」、「労働時間をもっと減らさなければならない」、という声が高くなっています。生産性が上がっているのだから、労働時間を減らすということなら尤もなのですが、「時間を減らさないから生産性が上がらないのだ」という主張が主流になっているようです。「税金をばら撒かないから景気が良くならない」という理論で日本はこの30年間大型な予算を執行し続けましたが、日本の経済力は弱くなるばかりでした。
 やはり強くなるためには、栄養ドリンクばかり飲んでいてもだめで、ひもじい思いや惨めな思いをする中で、強靭な精神力と体力を身に付ける必要があるのだと思います。そのためには日本人はもっと仕事をしなきゃならないんだけど…、日本人の強さの原点は「勤勉さ」であり、仕事に夢中になった先輩たちが強かったのだと思います。

 こういうムードの中で勤勉に働く若者にこそ未来のチャンスが与えられるべきだと思います。

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