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2019.04.08

死亡者課税

税務に関する情報

 本格的に人口が減少する時代を迎えて登記名義が死亡者のままの土地が増えています。全国の相続未登記土地を合わせると九州の面積よりも広い面積が相続未登記だというのですから事態は深刻です。
 まず市町村の税収の4割は固定資産税ですから、多くの土地が死亡者名義のままの状態では、固定資産税の聴衆に支障がでます。市町村では志望者名義の土地に対する固定資産税の聴衆をどのように行っているかというと、
(1)相続人に相続登記をするように指導する
(2)相続人調査を行い、相続人の共有名義に納税義務者を変更する
(3)「親族の誰か、あるいは相続人の代表者が払っていればよい」として納税義務者の名義が死亡者のままで課税を続ける
の3種類に分かれているようです。
固定資産税の納税義務署は「課税台帳に登録されている名義人」なのですが、その名義人が死亡者のままでは、当然その課税は有効ではありません。しかしそもそも不在地主に相続が発生したとしても、その市町村ではその通知を受けないため死亡の事実を把握することさえ困難なことです。

 わが国では戦後長い間、土地の値段は上がり続けるという「土地神話」が続いてきました。地価が上がるのが確実であれば、登記名義を取得するための登録免許税、保持している感に支払う固定資産税、相続した場合の相続税等を支払うことを受け入れます。しかし人口が減少し、土地や建物が過剰な時代になると、わざわざ税金を支払って自分の名義にして固定資産税を支払い続ける意欲が減退します。

 わが国では土地が最も課税しやすい財産として君臨し続けました。年貢の取立から始まって、地租、固定資産税、相続税と、土地は常に課税される財産のスターに君臨し続けてきました。人口が減少するという新しい時代を迎えて、土地に対する課税の在り方を抜本的に見直さないと、日本中が相続未登記地となりかねません。

 今年は年号も変わりますが、世帯数が減少する時代の幕開けでもあります。新しい資産課税を模索する時代がスタートしました。

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