2019.12.22
人と同じ思考をするな、変化に対応せよ
今年も残りわずかとなりましたが、2019年に出版された「新書」のうち、私にとって最も価値のある親書を一つ上げるとすれば、それはジムロジャースの「お金の流れで読む日本と世界の未来」という本である。この本は今年の1月にPHP新書として出版されたものであるが、新書としては異例なベストセラーとなりました。
ジムロジャースは8月にも講談社から「日本への警告」という親書を出しますが、そこで書かれていることは基本的には同じことなので、ジムロジャースの考え方を知るにはこの本を読むことだと思います。
ジムロジャースは、歴史の知識に裏打ちされた現在の流れを読む力が凄い。バブルで踊る世の中の真ん中にいながら、冷静にその破たんの兆候を見抜いて、数々の投資を成功させてきた人です。
日本人は、「人と同じ」ことで安心し、「人と違う」ことで不安に思う民族です。しかも言霊信仰が根深いので、本当のことは思っていても言えないことが多い。
歴史的な視点からものを見ると、
「債務が大きい国は、常にひどい姿になって終焉する」
「史上最悪の世界恐慌は確実に来る」
「移民を受け入れる国は栄え、拒む国は亡びる」
のだが、このようなことを発言すると、場の雰囲気を乱す異端者と扱われます。SNSが普及してこの傾向はますますひどい状況になっています。
情報量が多くなればなるほど「思考は停止」していく。アベノミクスでジャンジャン国債を刷っても、刷れば刷るほど景気が良くなる。韓国はダメな国で、日本はすごい…、
そんな風潮の世の中だからこそ、ジムロジャースの「人と同じ思考をするな」という忠告は、重いのだと思います。