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2021.01.13

なぜ株も不動産も下落しないのか?

ブログ 経営に関する話題

 新コロナウイルスがパンデミックを引き起こした時、だれもの頭の中によぎったのは「世界大恐慌が来る」ということだったのではないでしょうか?なにしろ、世界中の国が海外からの渡航を制限し、主な都市はロックダウンされ、街には人影がなくなったのですから、景気に及ぼす影響は計り知れないと誰もが思ったはずです。
 ところが2020年を振り返ると、2020年の日経平均株価は1月6日に23,204円でスタートし、3月には16,552円まで下落しましたが、12月30日には27,444円で終了しました。結局は1年間に4240円上昇したことになります。アメリカはもっとすごくて、ダウ平均株価は3月下旬に1万8000ドル台まで下落しましたが、12月31日には3万606ドルという史上空前の高値で取引を終えました。
 新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、経済活動は大幅に制限されているのに、どうして株価は上昇し続けるのでしょうか?

 もう一つ不思議なことがあります。不動産の価格ですが、マンションも一戸建ても値下がりせずに帰って値上がりしているようです。不動産価格については、巷ではコロナ禍の前から「オリンピックが終わったら下落する」といわれていました。オリンピックは延期され今年開催のめども立っていない、コロナウイルスは昨年より流行して繁華街は閑古鳥が鳴いているというのになぜ地価は下落しないのでしょうか?

 「バブルは必ず崩壊する」というのが私たちの経験則でしたが、どうやらこれからの時代は今までの経験則はそのまま当てはまらないようです。2000年の少し前に世界中がITバブルに踊っていた頃、「ニューエコノミー論」なんて言って、「経済は膨張し続ける、不況なんて来ないのだ」という意見もありましたが、2000年に見事にバブルははじけました。

 今、現代貨幣理論(MMT)なんていう言葉が、国会やマスコミをにぎわせていますが、「通貨発行権を有する国家はいくら借金しても財政は破綻しない」なんて理論が流行っています。かつて「財政赤字が巨額になると、インフレが起こってたいへんなことになる」という経験則があって、ローマ帝国をはじめとする多くの国家が財政が窮乏して滅びていきました。それが今、「いくら借金してもいいんだ、借金を返そうとすると景気が悪くなるから返してはいけないのだ」という理論が流行っているのです。

 いずれにしても、マネー資本主義(強欲資本主義)は私たちを別の世界にまで運んでしまったようです。お金持ちはこのコロナ禍をビッグなお金儲けのチャンスととらえているのです。景気の「気」は、既にコロナ後の株価や地価の上昇を期待しているようです。

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