〜 お気軽にお問い合わせください。 〜

〜 オフィスレター 〜

2021.11.30

財政危機と世界史

税務に関する情報 読書の部屋

 ドミニク・フリスビーというイギリス人のコメディアンでいながら金融ライターが書いた「税金の世界史」という本を読みました。今月ちょうど20冊目に読み終わった本ですが、とても勉強になりました。
 考えてみれば当たり前の話ですが、国家の歴史は税金の歴史でもあり、戦争の背景には財政的な事情があります。繁栄すればするほど税金がかかり財政が苦しくなるのはローマ帝国に限らず、すべての国に共通していることです。たとえば、アメリカの独立戦争の話は、イギリスの厳しい税金の徴取に苦しんでいるアメリカ人が本国に反対して起こした戦争だと伝えられていますが、その当時税金に苦しんでいたのはアメリカ人ではなくイギリス人でした。イギリスは他国に先駆けて産業革命を成功させ、世界中の国々を植民地化して栄華を極めたように思っていましたが、イギリスはナポレオン打倒のために膨大なお金を使ったので、あらゆるものに税金をかけなければならなくなったので、馬車や印章、腕時計や域時計、そして「犬」や「窓」にも税金をかけたというのだから、アメリカ移民が輸入する「茶」に税金をかけるのはあたりまえの話だったのである。
 歴史とはその背景を理解しないとわからないし、「現代を支配するものによって過去は支配されるもの」なのだ。

«

»