2022.10.18
生物はなぜ誕生したのか?
地球上に生命がいつどのように誕生したのかという問題については、多くの人が研究してきたことであるが、いまだにはっきりしない点が多いのです。世の中にはいまだにダーウィンの進化論を信じずに、神様がすべてを想像したのだという「創造説」を信じる人が多く、アメリカ人の4割は進化論を否定しています。
創造説というのは、旧約聖書の「創世記」に書かれた通り、宇宙や生命が生まれたとする考え方ですが、2006年に米サイエンス誌が、調査したところによると、日本人やイギリス人の8割以上が進化論を信じているのですが、アメリカ人で進化論を信じている人の割合は僅か22%で、創造論を信じている人が40%でした。
アメリカ人の進化論への態度
➀ 創造説を信じている人 40%
➁ 神の助けで、人は進化した 33%
➂ 神の助けなしに、人は進化した 22%
「神が人を創った」とアメリカ人の多くが信じているということですが、多くの日本人はこのようなアメリカ人の考え方を理解できません。というのも、アメリカ人にはとても一生懸命勉強している人が多く、日本に比べて大学院で学んだり、弁護士やMBAなどの資格を取得しているインテリゲンチャが多く存在しています。にもかかわらず、「神がこの世を創った」ということを信じている人の割合が世界中でで最も高い国の一つなのです。
日本人のモラルの高さは国際的にも高く評価されていますが、無宗教の多い日本人のモラルがなぜ高いのかということについては、他国の人からは理解できないようです。1900年に新渡戸稲造が「武士道」という本を英語で出版したのも、日本人のモラルを支えている宗教心について外国人に理解してもらうためでした。
地球の誕生は45億6,700万年前だといわれていますが、生命は30億年前ころには誕生していたようですが、どのように生命が誕生したのかということについては、確実に科学で解明されたとまでは言い切れません。地球がドロドロの高熱の海に覆われていた頃、海底の熱水噴出孔の近くでアミノ酸のような複雑なたんぱく質が生成され、それが数億年もかき回され続けるうちに、RNAやDNAという遺伝情報を伝えることができる核酸が生成されそれがウイルスのような生命に近いものができた。そしてそれがそのうち細胞膜を持った単細胞生物という生命になったという説が有力です。生命の定義は「代謝」すなわち原子を交換する力と「複写」すなわち自分のコピーを作ることができることの2つを備えることだとされています。ウイルスが生命とされていないのは、RNAやDNAは備えているものの、自分だけで複写する力を持たない(ほかの細胞に寄生して増殖する)からなのです。科学はいずれ物質の組み合わせから声明を創り出すことができるのかもしれませんが、無から有は生まれないのですから命を与えたのは「神」であると信じる創造説の信者がとても多いということが分かります。
そして生命の誕生よりももっと不思議なのは、誕生以降の生命の多様性とその後の展開の速さです。なぜキリンの首や象の鼻はあんなに長いのか、なぜこの世にこれほど多くの種が存在するのか、かつて数十億種の生物が発生して絶滅し現在2000万種という生命が現存するのは、どうしてなのか?この説明を科学だけで説明できるのかという観点からすると、何らかの神の力、サムシンググレイトなるものの存在を信じたくなるのは当たり前のことだということになります。
考えてみれば、この宇宙そのものがとても不思議な世界です。「かつて数十億分の1ミリ以下のとても重い点が「インフレーション」大きくなってその後「ビッグバン」で宇宙ができた」といわれても、なんのこっちゃというわけなのです。私たちが知っていることというのは、この宇宙を動かすルールのほんの一握りのルールしか知らないのです。だから、「世界は神が創った」ということを主張する人がいたとしても何の不思議もないということを知らなければなりません。
私たち日本人は、ともすれば簡単に科学を信じ、進化論を当たり前だと決めつけてしまう傾向にあります。しかし、それを信じない人たちがなぜ信じないのか、しっかりと知る必要があります。そして真の真実は別にあるかもしれないということについて常に謙虚であるべきなのだと思います。